一人暮らしで猫を飼いたいけれど、「寂しい思いをさせてしまうのでは?」「帰りが遅い仕事だから無理かも」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
実は、猫は一人暮らしでも十分に飼うことができる動物です。むしろ、飼い主が一人の環境の方が、猫のペースに合わせた生活を作りやすいというメリットもあります。
ただし、飼育費用や部屋の広さ、賃貸物件での注意点など、事前に知っておくべきことはたくさんあります。また、飼い主が疲れている時でも毎日のお世話は欠かせません。後悔しない猫との暮らしを実現するためには、しっかりとした準備と心構えが大切です。
この記事では、一人暮らしで猫を飼うことへの不安を解消し、猫と幸せに暮らすために必要な知識をご紹介します。猫との新生活を始める前に、ぜひ参考にしてください。

1人暮らしのとき、子猫を飼い始めました。わたしも最初は「大丈夫かな…。」と思っていましたが安心してください!
- 猫は単独行動を好む動物なので、一人暮らしでも寂しがらない
- 猫との暮らしには毎月の維持費として最低1万円程度が必要
- 賃貸物件では追加費用や近隣トラブルへの対策が不可欠
- 6畳程度あれば十分だが、高さを活用した空間作りが重要
一人暮らしで猫を飼うのはかわいそう?

- 猫は寂しくないって本当?
- 一人暮らしでも猫を飼ってもいい?
- 帰りが遅い仕事でも大丈夫?
- 一人暮らしで猫を飼って後悔しないための心構え
- 一人暮らしで猫を飼うメリットとデメリットを把握しよう
猫は寂しくないって本当?
猫はペットとして長年愛されていますが、一般的に考えられているほど、猫は寂しがる動物ではありません。むしろ、一人の時間を必要としている生き物なのです。なぜなら、猫は本来「単独行動を好む動物」だからです。
野生の猫は、生後5〜6カ月になると母猫やきょうだい猫から離れ、基本的に1匹で行動するようになります。このような習性は、家猫になっても変わることはありません。実際、1日の大半を寝て過ごすため、飼い主が不在の日中はぐっすりと眠っていることがほとんどです。
ただし、猫の性格や育ってきた環境によって、人との触れ合いを求める度合いは異なります。例えば、幼少期から人と多く関わってきた猫や、甘えん坊な性格の猫は、飼い主との時間をより必要とする傾向にあります。

うちの猫は家にいるとずっとわたしの近くにいます笑。 また、飼い主の「寝る時間」や「仕事の時間」など定期的に決まっているものに対しても慣れてくれば覚えてくれるようになります!寝る時間になったら「寝る時間だ!」と先にベットに行っていたり、ご飯の時間になるとソワソワするなど、生活リズムが同じになっていきます。
一人暮らしでも猫を飼ってもいい?

- 散歩の必要がなく室内のみで飼える!
- ひとりだからこそ猫のペースを大切にできる!
- 他の動物に比べて飼育が比較的ラク。
一人暮らしでも猫を飼うことは十分可能です。猫は犬と違って散歩の必要がなく、基本的に室内で完結した生活を送れる動物だからです。
むしろ、一人暮らしには猫との暮らしが適していることも。なぜなら、家族が多い環境では猫にとってストレスになることもありますが、一人暮らしなら猫のペースを大切にした生活を作りやすいからです。
帰りが遅い仕事でも大丈夫?

仕事で帰りが遅くなる場合でも、適切な対策を取れば猫との生活は十分に成立します。なぜなら、基本的に猫は夜行性の動物で、日中は睡眠を取る習性があるからです。

わが家の猫2匹も、わたしが仕事で外出する日中はずっと寝ていることがほとんどですね。
ただし、長時間の留守に備えた環境作りは必要不可欠です。
例えば、「自動給餌器」や清潔な水を保つ「自動給水器」の設置、「システムトイレ」などの導入が有効です。また、猫が退屈しないように、「キャットタワー」や「おもちゃを」適切に配置することも大切です。
一方で、帰宅後は猫との時間をしっかりと確保するよう心がけましょう。10〜15分程度でも、遊びや撫でるなどの触れ合いの時間を作ることで、猫との良好な関係を保つことができます。また、休日は猫と過ごす時間を多めに取るなど、平日の不足を補う工夫も効果的です。
一人暮らしで猫を飼って後悔しないための心構え

猫との生活を始める前に、最低でも10年以上の長期的な視点で考えることが大切です。猫の平均寿命は15年以上と言われており、その間ずっと一緒に暮らす覚悟が必要だからです。
まず、将来の生活設計をしっかりと考えましょう。転職や結婚、引っ越しなど、ライフスタイルが大きく変わる可能性がある場合は、猫との暮らしをどのように続けていくのか具体的にイメージすることが重要です。例えば、転職する場合は「猫と暮らせる環境を維持できる仕事」を選ぶ、引っ越しの際は「ペット可物件」を探すなどの対策が必要になります。
また、飼い主として必要な知識を事前に学んでおくことも欠かせません。猫の習性や基本的なケア方法、病気の予防や応急処置など、最低限の知識を身につけておきましょう。特に一人暮らしの場合は、すべての判断と対応を自分一人で行う必要があるため、より幅広い知識が求められます。
一人暮らしで猫を飼うメリットとデメリットを把握しよう

一人暮らしで猫を飼うメリット
メリットの一つ目は、心の癒しが得られることです。仕事で疲れて帰宅しても、猫がいることで自然と心が和らぎます。一人暮らしは寂しいものですが、猫と一緒に暮らすことで寂しさも軽減されるでしょう。「猫を飼っていてよかったな」と思う瞬間がたくさんあるのも、人間と共存しやすい猫の魅力の一つです。
二つ目は、生活リズムが整いやすくなることです。猫の世話があることで、規則正しい生活を送る必要が出てきます。例えば、朝はごはんをあげるために早起きするようになり、夜も猫のために早めに帰宅するなど猫中心で健康的な生活習慣が身につきます。
一人暮らしで猫を飼うデメリット
メリットがある一方で、デメリットもしっかりと理解しておく必要があります。最も大きな課題は経済的な負担です。フードや猫砂などの日用品に加え、予期せぬ病気やケガの治療費など、月々の出費は予想以上にかさむことがあります。さらに、後述しますが賃貸物件の場合では家賃が割高になったり、退去時の修繕費用が必要になったりすることも考えられます。
また、自由な生活が制限されることも覚悟しなければなりません。例えば、突発的な外泊や長期の旅行などが難しくなります。帰宅時間も猫のことを考えて調整する必要があり、休日も猫の世話が必要になることもあるでしょう。
ただしこれらのデメリットは事前に把握し、適切な対策を講じることで十分に対応可能です。例えば、ペット保険への加入や緊急時の預け先を確保しておくなど、計画的な準備を行うことで、より安心して猫との暮らしを楽しむことができます。

「家族」なので私はわが子のように愛しています。その子の人生を幸せにしてあげたいという気持ちがあれば苦になることはほとんどないかと思います!
一人暮らしでの猫との暮らし方を解説
- 飼う前に知りたい費用と準備
- 部屋の広さはどのくらい必要?
- 賃貸で猫を飼うときの注意点
- 一人暮らしで飼いやすい猫種は?
- 疲れた時のお世話のコツ
飼う前に知りたい費用と準備

猫を飼うために必要な費用は、「初期費用」と「毎月の維持費」に分けて考える必要があります。計画的な準備を行うことで、突発的な出費にも対応できる体制を整えましょう。
猫を迎えるための「初期費用」
猫との生活を始めるためには、基本的な設備や用品の準備が必要です。以下の表を参考に、必要な費用を把握しましょう。
項目 | 費用の目安 |
---|---|
キャットタワー・ハウス購入費 | 約3,000~10,000円 |
トイレ用品一式購入費 | 約3,000~5,000円 |
猫用食器・ケージ購入費 | 約10,000円 |
爪とぎ・おもちゃ購入費 | 約3,000~5,000円 |
医療費(ワクチン・健康診断) | 約30,000円 |
合計 | 約50,000〜60,000円 |
※ 保護猫を迎える場合は、譲渡手続きや初期医療費としてさらに3万円程度かかることを想定しておきましょう。
毎月の「維持費」
猫の健康と快適な生活のためには、毎月の費用も考慮する必要があります。
項目 | 費用の目安 |
---|---|
フード代 | 約3,000〜5,000円 |
猫砂代 | 約2,000〜3,000円 |
ペット保険(任意) | 約2,000〜3,000円 |
合計 | 約10,000円〜 |
※ 定期的なワクチン接種や健康診断の費用も考慮し、余裕をもった予算を立てましょう。
緊急時の「準備品」
日用品だけでなく、緊急時に備えた準備も大切です。
- 基本用品:トイレ・消臭袋・食器・キャリーケース・爪切り など
- 緊急時の備え:応急処置用具・非常食・避難用キャリー など
- 病院リストの準備:近隣の動物病院をリストアップし、緊急時に備える

計画的な準備を行い、猫ちゃんとの快適な生活をスタートさせましょう!
部屋の広さはどのくらい必要?

一般的に、猫1匹を飼うための最低限の広さは6畳程度からで十分です。ただし、重要なのは床面積よりも、空間の有効活用の仕方です。なぜなら、猫は床面だけでなく、立体的な空間を使って生活する動物だからです。
高さの確保
空間を有効活用するためには、高さの確保が重要になります。例えば、キャットタワーや棚を設置して高低差のある環境を作ることで、狭い部屋でも猫が十分に運動できる空間を確保できます。窓際に棚を設置すれば、外の景色を眺められる居場所にもなります。





猫は高いところが大好きで、おっとりした性格でもちゃんと使ってくれます!
猫のための専用スペース
また、猫のための専用スペースを確保することも必要です。トイレの設置場所(最低1㎡程度)、食事スペース、休息場所など、基本的な生活空間は分けて配置しましょう。特にトイレと食事スペースは距離を離すことが重要です。


ただし、部屋が広ければ良いというわけではありません。むしろ、適度な広さの方が猫にとって安心できる環境となります。大切なのは、猫が自由に動き回れる動線と、ゆっくりと休める場所をバランスよく配置することです。一人暮らしの間取りでも、工夫次第で猫との快適な暮らしを実現できます。
賃貸で猫を飼うときの注意点

賃貸物件で猫を飼う場合、まずは契約内容をしっかりと確認することが重要です。「ペット可」と表示されている物件でも、猫の飼育が認められていない場合や、飼育できる匹数に制限がある場合があります。
【ペット可物件での猫の飼育制限】
- 管理規約で「猫」の飼育が禁止されている場合がある ※犬のみOK など
- 「飼育頭数」に制限がある場合がある
- 飼育可能な「猫の種類」に制限がある場合がある
賃貸物件を借りる際の体験談
- 「猫」の飼育が禁止
nekomi
私はこれが一番多くて、賃貸サイトで“ペット飼育可”や“ペット相談可”と書いてあったから、内覧したくて不動産に行くと、
不動産屋「猫ですかぁ……。ちょっと大家さんに確認します。」→「猫はダメっすねw」
となったことが10回以上あります。お互いに時間の無駄になるし、最初から物件情報にそう書いておいてほしいものです。- 「飼育頭数」に制限がある
nekomi
最初は1匹の予定だからよかったけどね。「2匹まで」とかが多かったかなぁ。「1匹につき家賃〇千円追加」とかね。あと厳しいところは、「ワクチンの証明書」や「実際の猫の写真」の提出なんかを求められたこともあったよ!
- 「猫の種類」に制限がある
nekomi
これは1回あったんだけど、「飼育可能な猫の種類一覧」みたいな資料を渡されたことがあったよ!後出しで契約後にこれ渡されたらこれから飼いたい種類の猫ちゃんが変えない可能性もあるから念のため確認しておいた方がいいかも。それにしても、基準はなんなんだろうね。
多くの賃貸物件では、ペット飼育に関する追加費用が発生します。例えば、「敷金や保証金の増額(1〜2ヶ月分程度)」や、「月々のペット飼育費用(3,000〜5,000円程度)」などが一般的です。退去時には、通常の原状回復費用に加えて、消臭や床の張り替えなどの「特別清掃費用」も別途必要になる可能性があります。契約書のペット規約をよく読み、不明点があれば管理会社やオーナーさんに事前に確認しておくとよいでしょう。
また犬程ではありませんが、近隣トラブルの防止対策も欠かせません。特に猫の鳴き声や臭い、爪とぎによる建物の損傷など、周囲への配慮が必要な点が多くあります。防音マットの設置や、こまめな掃除、爪とぎ対策など、事前に対策を立てておくことが大切です。

わたしは10回ほど引越しをしていますが、猫が原因で近隣様とのトラブルになったことは1度もありません。

一人暮らしで飼いやすい猫種は?
一人暮らしで飼いやすい猫は、比較的温厚で自立性のある猫種です。例えば、アメリカンショートヘアーは、適度に甘えん坊でありながら一人の時間も上手に過ごせる性格の持ち主です。また、スコティッシュフォールドは、おとなしく鳴き声も控えめなため、集合住宅での飼育に適しています。


ただし、猫種の特徴はあくまでも一般的な傾向であり、個体差が大きいことも覚えておく必要があります。むしろ、その猫自身の性格や生活リズムが自分に合っているかどうかを見極めることが重要です。例えば、活発すぎる猫は留守番が多い生活では退屈してしまう可能性があります。
また、年齢についても考慮が必要です。子猫は育てがいがある反面、手がかかり予期せぬ行動も多いため、初めて猫を飼う一人暮らしの方には、1〜3歳程度の成猫がおすすめです。すでに性格が安定しており、生活リズムも把握しやすいからです。

疲れた時のお世話のコツ

仕事で疲れていても、猫のお世話は欠かせません。ただし、効率的な方法を知っておくことで、負担を軽減することは可能です。
まず、日課を定型化することが重要です。例えば、帰宅後すぐにトイレの掃除とごはんの準備を済ませる習慣をつけることで、疲れていても自然とケアができるようになります。また、朝の時間に余裕があるときは、夜の作業を前倒しで済ませておくことも有効です。
便利なグッズを活用することも、大きな助けになります。例えば、システムトイレを導入すれば、毎日の掃除の手間を大幅に減らすことができます。自動給餌器や給水器を設置すれば、タイミングを逃さず適切な量を与えることができます。
ただし、猫とのスキンシップは省略せずに確保することが大切です。たとえ短時間でも、撫でたり声をかけたりする時間を作ることで、猫との信頼関係を保つことができます。また、この触れ合いの時間は、飼い主自身のストレス解消にもつながります。

まとめ
- 猫は本来、単独行動を好む動物で寂しがりではない
- むしろ一人暮らしは猫のペースに合わせた環境を作りやすい
- 夜行性の猫は日中の留守時間を睡眠で過ごすため問題ない
- 帰宅後10~15分の触れ合いでも猫との良好な関係は保てる
- 自動給餌器やシステムトイレで長時間の留守番対策が可能
- 猫の平均寿命は15年以上のため、長期的な生活設計が必要
- 飼育には初期費用5~10万円、毎月の維持費1万円程度が必要
- 6畳程度の空間があれば、高さを活用して十分な環境を作れる
- キャットタワーや棚で立体的な空間を作ることが重要
- 賃貸では追加費用や近隣トラブルへの対策が不可欠
- 温厚で自立性のある猫種を選ぶことで飼育しやすくなる
- 初心者は性格が安定した1~3歳程度の成猫がおすすめ
- 日課の定型化で疲れていても効率的なケアが可能
- ペット保険加入で予期せぬ医療費に備えることができる
- 猫との暮らしで生活リズムが整い、心の癒しも得られる