愛猫との楽しいスキンシップとして欠かせない抱っこ。しかし、「抱っこしようとすると逃げてしまう」「だらーんと脱力されて抱きにくい」など、猫の抱き方に悩む飼い主さんは少なくありません。
特に初心者の方は、どのように抱っこすれば良いのか戸惑うことも。実は、やってはいけない抱き方や注意点を知らないまま抱っこすることで、猫にストレスを与えてしまう可能性もあるのです。
この記事では、猫が喜ぶ抱き方や気持ちいいと感じる抱っこの方法について、NGポイントも含めて詳しく解説します。抱っこを通じて愛猫との信頼関係を深めていきましょう。
- 猫を安全に抱っこするための基本的な手順と正しい持ち方がわかる
- 猫がストレスを感じないための抱き方のコツと注意点がわかる
- 猫が抱っこを嫌がったり逃げたりする理由と対処法がわかる
- 猫との信頼関係を深めるためのスキンシップの方法がわかる
猫の正しい抱き方と気をつけるポイント
- 初心者の方必見!基本的な抱っこの手順
- 抱っこするときのNGな持ち方に注意
- やってはいけない危険な抱き方とは
- 抱っこ時に猫の体がだらーんとなる理由
- 猫が喜ぶ抱き方のコツ
初心者の方必見!基本的な抱っこの手順

猫を安全に抱っこするためには、正しい手順を知ることが大切です。まずは猫の様子を観察し、リラックスしているタイミングを見計らいましょう。
抱っこの基本的な手順は、まず片手で猫の胸の下に手を入れ、もう片方の手でお尻を優しく支えます。このとき、猫の前足が自然と飼い主の腕に乗るような形になります。急な動きは避け、ゆっくりと優しく抱き上げることがポイントです。
- 片手で猫の胸の下に手を入れる
- もう片方の手でお尻を優しく支える
- ゆっくりと優しく抱き上げる
また、抱っこをする前に猫と目を合わせたり、やさしく声をかけたりすることで、猫も心の準備ができます。初めは短時間から始め、徐々に抱っこの時間を延ばしていくことをおすすめします。
例えば、最初は数秒程度の抱っこから始め、猫が慣れてきたら10秒、30秒と少しずつ長くしていきます。このように段階的に進めることで、猫も抱っこを怖がらなくなっていきます。
なお、猫が嫌がるサインを見せた場合は、すぐに抱っこを中止しましょう。無理な抱っこは猫との信頼関係を壊すことにもなりかねません。
抱っこするときのNGな持ち方に注意

猫を抱っこする際、思わぬケガや事故を防ぐために避けるべき持ち方があります。特に気をつけたいのが、脇の下だけを持って抱え上げる方法です。
このような持ち方をすると、猫の内臓に負担がかかるだけでなく、不安定な体勢のため落下の危険性も高まります。また、前足だけを持って抱き上げることも、猫に強いストレスを与えてしまう危険な持ち方です。
実際、多くの飼い主が知らずにやってしまいがちなNGな持ち方として、首の後ろの皮をつかんで持ち上げることがあります。これは子猫を運ぶ母猫の行動を真似たものですが、成猫の場合は体重が重いため危険です。
猫の体に無理な力が加わる持ち方や、バランスを崩しやすい抱え方は必ず避けましょう。また、抱っこ中に突然スマートフォンを操作したり、片手で支えたりするのも事故のもとになります。
やってはいけない危険な抱き方とは

猫との生活で思わぬ事故を招く可能性があるのが、危険な抱き方です。ここでは特に注意が必要な抱き方をご紹介します。
まず避けるべきなのが、猫の前足を無理に引っ張って抱きかかえる方法です。この抱き方では、猫の肩や関節に過度な負担がかかり、最悪の場合、脱臼や骨折などの重大な怪我につながる可能性があります。
また、猫を逆さまに抱くことも厳禁です。人間の赤ちゃんのように抱っこしたくなる気持ちはわかりますが、猫にとって逆さまの状態は強い恐怖と不安を感じる体勢となります。内臓への負担も大きく、嘔吐を誘発する可能性もあります。常に猫の体全体をしっかりと支える持ち方を心がけましょう。
さらに、胸の下だけを支えて後ろ足を宙づりにする抱き方も危険です。このような状態では猫が不安定になり、急に暴れ出してケガをする可能性が高まります。猫は常に四肢すべてが支えられている状態を好みます。
抱っこ時に猫の体がだらーんとなる理由

猫を抱っこしようとすると、突然体がだらーんと脱力してしまうことがあります。この行動には、実はいくつかの重要な意味が隠されています。
第一に考えられるのが、抱っこに対する強い抵抗感の表れです。猫は本能的に地面から離れることを好まない動物です。そのため、抱き上げられそうになると、全身の力を抜いて体を重くすることで、抱っこを回避しようとする場合があります。
また、このだらーんとした状態は、過去の嫌な経験が関係している可能性もあります。例えば、乱暴な抱っこをされた経験や、高所から落ちた経験などがトラウマとなり、抱っこに対して防衛反応を示すことがあります。
ただし、中には飼い主に対する信頼感から、完全にリラックスしてだらーんとなる猫もいます。この場合は、むしろリラックスしている状態といえます。見分け方として、耳の向きや表情が穏やかであれば、リラックスしている可能性が高いでしょう。
なお、突然体がだらーんとなる行動が頻繁に見られる場合は、体調不良のサインかもしれません。特に普段は活発な猫が急にこのような症状を見せる場合は、獣医師への相談をおすすめします。
猫が喜ぶ抱き方のコツ

猫に喜んでもらえる抱き方には、いくつかの重要なコツがあります。適切な抱き方を知ることで、猫とのスキンシップがより楽しいものになるでしょう。
まず大切なのが、猫の気分を読み取ることです。遊んだ後や食事の後など、猫がリラックスしているタイミングを選びましょう。また、耳が前を向いていたり、しっぽが上を向いているときは、抱っこを受け入れやすい状態です。
抱っこをする際は、両手でしっかりと支えることがポイントです。片手は胸の下に添え、もう片方の手でお尻を包み込むように支えます。このとき、猫の前足が自然と飼い主の腕に乗るような状態になれば理想的です。
また、抱っこの姿勢も重要です。猫の体を横向きに抱えると、多くの猫がリラックスしやすい傾向にあります。このとき、飼い主の体に猫の体を寄せることで、温もりと安心感を与えることができます。
ただし、最初から長時間の抱っこは避けましょう。10秒程度の短い時間から始め、猫が慣れてきたら少しずつ時間を延ばしていくことをおすすめします。
猫の習性を理解した上手な抱き方とは
- 猫が気持ちいい抱っこのポイント
- 抱っこしようとすると逃げる理由
- リラックスさせる効果的な声のかけ方
- 抱っこを嫌がる猫との信頼関係の築き方
猫が気持ちいい抱っこのポイント

猫が心地よく感じる抱っこには、細かな配慮が必要です。ここでは、猫が本当にリラックスできる抱っこのポイントについて詳しく説明します。
最も重要なのは、猫の体温を感じられる距離感です。抱っこの際は、優しく胸に寄せることで、飼い主の体温と心音を感じられる状態を作ります。これは子猫が母猫に抱かれているような安心感を与えます。
また、姿勢の安定性も欠かせません。猫の体全体がしっかりと支えられた状態を保ち、揺れすぎないよう注意します。特に、お腹周りが圧迫されないよう気をつけることで、より快適な抱っこが実現できます。
抱っこ中のコミュニケーションも大切です。優しく話しかけたり、あごの下を軽くなでたりすることで、より深いリラックス状態に導くことができます。このとき、猫が喉をゴロゴロ鳴らしたり、目を細めたりしていれば、心地よさを感じているサインです。
なお、突然の動きや大きな音は避けましょう。テレビの音量を控えめにしたり、急な動作を控えたりすることで、猫はより安心して抱っこを楽しむことができます。
抱っこしようとすると逃げる理由

猫が抱っこを避けて逃げてしまう行動には、いくつかの理由が隠されています。この行動を理解することで、より良い関係作りのヒントが見えてきます。
まず考えられるのが、過去の悪い経験です。乱暴な抱っこをされたことがある猫は、人に抱かれることに恐怖を感じます。また、高所から落ちた経験がある場合も、地面から離れることへの不安から逃げ出してしまうことがあります。
本能的な要因も大きく影響しています。猫は地上で生活する動物であり、突然体が宙に浮く状態になることを本能的に警戒します。さらに、急に上から手が伸びてくる動作は、天敵に襲われる危険を連想させる可能性もあります。
また、タイミングの問題も見逃せません。例えば、食事中や熟睡中、トイレの後など、猫にとって重要な時間帯に抱っこしようとすると、ストレスを感じて逃げてしまいます。
なお、猫の性格による個体差も大きな要因です。臆病な性格の猫や、人との関わりが少なかった猫は、抱っこに対して特に警戒心が強い傾向にあります。
リラックスさせる効果的な声のかけ方

猫をリラックスさせる声かけは、スキンシップを成功させる重要な要素です。適切な声のトーンや言葉選びで、猫との信頼関係を深めることができます。
最も効果的なのは、優しく低めの声でゆっくりと話しかけることです。高い声や大きな声は猫を緊張させてしまうため避けましょう。「よしよし」「いい子だね」などの短い言葉を、穏やかなトーンで繰り返すことで、猫に安心感を与えることができます。
また、声かけのタイミングも重要です。猫の目を見つめながら話しかけるのではなく、視線を少しそらしながら、さりげなく声をかけることをおすすめします。直接的な視線は、猫にとって威圧的に感じることがあるためです。
声かけと同時に、猫の反応を観察することも大切です。耳が前を向いている、目を細めている、尻尾がゆっくり動いているなどの反応があれば、リラックスしている証拠です。一方で、耳を後ろに倒したり、尻尾を激しく振ったりする場合は、声かけを一旦中止しましょう。
なお、猫の名前を呼ぶときは、語尾を優しく上げると効果的です。これは母猫が子猫を呼ぶような声に近く、猫に親しみやすい印象を与えます。
抱っこを嫌がる猫との信頼関係の築き方

抱っこを嫌がる猫との関係改善には、時間をかけた丁寧なアプローチが必要です。焦らず、猫のペースに合わせて信頼関係を築いていきましょう。
まずは抱っこを一旦あきらめ、猫が好む方法でコミュニケーションを取ることから始めます。例えば、おもちゃで一緒に遊んだり、猫の好きなおやつをあげたりすることで、飼い主に対する良い印象を少しずつ作っていきます。
次の段階として、猫が自分から近づいてきたときだけ、やさしくなでることをおすすめします。このとき、頭やあごの下など、猫が心地よく感じる場所を見つけることが大切です。猫が喉をゴロゴロ鳴らしたり、目を細めたりする反応を示せば、それは信頼のサインです。
さらに関係が深まってきたら、少しずつ体に触れる時間を増やしていきます。例えば、なでる時間を徐々に延ばしたり、触れる範囲を広げたりします。このとき、猫が嫌がるそぶりを見せたら、すぐに中止することが信頼を損なわないポイントです。
なお、抱っこに慣れていない猫の場合、完全に抱っこ好きになるまでに数か月以上かかることも珍しくありません。ただし、根気強く接することで、多くの猫は少しずつ抱っこを受け入れるようになっていきます。
一方で、どうしても抱っこを受け入れない猫もいます。そのような場合は、抱っこ以外のスキンシップ方法を見つけることも大切です。猫との関係は、必ずしも抱っこだけが親密さを示すものではないということを覚えておきましょう。
この記事の総括
- 猫の胸の下とお尻を両手でしっかりと支えることが基本となる
- 初めは数秒から始め、徐々に抱っこ時間を延ばしていく
- 猫の前足が自然と飼い主の腕に乗るような形が理想的
- リラックスした状態の時を見計らって抱っこを試みる
- 脇の下だけを持って抱え上げることは絶対に避ける
- 首の後ろの皮をつかんで持ち上げることは成猫には危険
- 猫を逆さまにする抱き方は内臓に負担がかかり危険
- 後ろ足を宙づりにする抱き方は猫が不安定になる
- 体をだらーんとさせる場合は抵抗のサインの可能性が高い
- 体を横向きに抱えると多くの猫がリラックスしやすい
- 飼い主の体温と心音を感じられる距離感が重要
- 優しく低めの声でゆっくりと話しかけることで安心感を与える
- 急な動きや大きな音は避け、安定した状態を保つ
- 抱っこを嫌がる場合は一旦中止し、信頼関係を築き直す
- 抱っこ以外のスキンシップ方法も検討する